成人矯正について
歯は歯槽骨の中に歯根膜に包まれ生えています。そして、歯槽骨や歯根膜は常に新陳代謝を繰り返しています。
歯に対して弱い力を加えると、歯根膜が圧縮した側の歯槽骨は吸収され、歯は少しずつ動いていきます。このメカニズムを利用し、動かしたい方向へ歯を移動させ、正しい咬み合わせときれいな歯並びをつくるのが矯正歯科治療です。
成人矯正と小児矯正の違い
成人矯正と小児矯正の大きな違いは成長発育を利用した骨格のずれを改善できるかどうかです。
お子様の場合はあごの成長をコントロールすることができますが、成長の止まった成人の方の場合は歯の移動のみになります。
また、成人矯正の場合、お子様よりも歯が動くのに時間がかかるため、治療期間が長くなる場合が多いです。
しかし、成人の患者様は矯正治療に対する意識が高く、熱心に治療に取り組まれる方が多いため、治療効果が確実であり、治療経過が良好だと言えます。
成人矯正は何歳まで?
健康な歯と歯周組織があれば何歳でも治療可能です。しかし、歯が抜けていたり、被せ物があっても矯正治療は可能ですし、むしろ矯正治療が必要である場合があります。
患者様一人ひとりの口腔内の状態に応じて、最良の治療計画をご提案させていただきますので、たとえご高齢の方で歯の本数が少なくても、あきらめずに一度ご相談ください。矯正治療により、心の若さを取り戻し、明るく美しい笑顔で健やかに過ごすことを目指しましょう。
治療の実際
治療にはエッジワイズ装置を使用します。エッジワイズ装置には従来からあるメタルブラケットや、目立たないセラミックブラケット、最近は効率よく歯の移動を行えるセルフライゲーションタイプのブラケットなどがあります。
歯科矯正用アンカースクリューを利用する事で、以前は難しかった症例も治療出来るようになりました。
エッジワイズ装置をつけて歯を動かしている期間は約2年ですが、多少個人差があります。その後動かした歯が元に戻らないようにするのが保定治療です。
期間は歯を動かす動的治療と同じで約2年です。保定装置は固定式と取り外しの出来るタイプがあり、併用することもあります。この間3~4か月に一度来院していただきます。
成人矯正の特徴
- ・歯の動きがゆっくりのため時間がかかる場合があります。
- ・成長発育が望めないため、歯のがたがたの程度によっては抜歯が必要になります。
- ・装置に慣れるのに時間がかかる場合があります。
- ・歯並びが改善されることで虫歯や歯周病が予防できます。
- ・ご本人の意志によって治療に取り組まれるため、治療結果が良好です。